食べ過ぎに注意
現在の日本は「飽食の時代」と呼ばれています。
昔に比べると驚くほど食材は変わりました。
昔は高くて手に入らなかったようなものが物流の普及に伴い安く手に入るようになりました。
卵、魚、フルーツ、デザート、酒類などなど、物流のみでなく栽培方法も変わり、冷凍技術も優れているので「旬」なんて今の時代関係ありません。
卵焼きが高級食なんて今の子供が聞いたら信じてくれないでしょう。アメとムチなんて言葉がありますが、今の子供には「アメ」を与えても「え?アメきらーい」といって受け取らないかもしれません。スーパーに行くと100円のケーキ?もはやケーキすら特別な物では無くなっているのです。
そう見渡すと確かに「飽食」なのかもしれません。
しかし、これは身体にとってはとても危険なのです。
食べ物が豊かになっているにも係らず糖尿病や高血圧やら食生活に密接に係る病気が多くなってきています。
それは何故でしょうか?
簡単にいいますと、身体は「飽食の時代に慣れていない」からなのです。
飽食の自体に生まれたからといっても遺伝子レベルではまだまだ「飢餓の時代」なのです。
「どういう意味だ?」と思われるかと思います。順を追って説明します。
これには長い長い歴史があります。
今の我々人類の種族は「ホモ・サピエンス」と呼ばれている新人類なのですが、この種族が誕生したのが約30万年前とされています。
それより以前にも猿人や単細胞生物などもっともっとさかのぼる事ができますが、今の我々の身体はこの30万年前から殆ど構造が変わっていません。
この30万年前には食べ物は豊富ではありませんでした。
30万年前は食料調達は主に「狩り」か「採取」でした。かなりの年月が立ち、文明が進むと食料の安定供給を求めて2万年前ぐらいでようやく「農耕」が発展しましたがそれでもまだまだ安定供給にはなりません。
我々の身体には30万年以前の進化の過程で既に「飢え」に耐えるシステムが構築されています。
・アドレナリン・成長ホルモン・コルチゾール・アルドステロン・カテコールアミン・甲状腺ホルモン・グルカゴン・ソマトスタチン
これらは全て血糖を上げるホルモンです。多少身を削ってでも強引に血糖を上げます。血糖が下がると脳が停止してしまうからです。
(※ホルモンとは、内分泌系(ホルモンを分泌する器官)から分泌され、血液に乗って身体の各細胞へ命令を伝達する命令書のようなものだと考えてください。)
対して、
が血糖を下げるホルモンです。
そうです、血糖を下げるホルモンはインスリンしかありませんが、これで血糖のバランスを取っています。
なんらかの異常でインスリンが分泌されなくなると血糖を下げることが出来なくなります。このバランスを崩します。これが糖尿病です。
さて、30万年前から「飽食」と呼ばれるこの50年間ぐらいの縮図をご覧ください。
見えますか?よくよく見ると右端の赤い棒がうっすらと、ほとんど見えませんね。
この赤い時代が「飽食の時代」なのです。
ところが30万年前から我々の身体の構造は同じなのです。
先に述べた「飽食に慣れていない」という意味がご理解いただけたかと思います。
遺伝レベル見ると現代は「おかしな時代」なのです。
こういった背景からも食べ過ぎで身体を壊しやすい時代と言えるのです。