よくこける
最近「よくこける」と感じておられる方も少なくないでしょう。
よくこける原因には
バランスが悪い、足が上がっていない、家屋や設備が悪いなどありますが、原因の1つ「バランスが悪い」に付いて触れてみましょう。
人間は2本の足で立って歩く事ができますが、動物的にはこれは非常に難しい状態です。
最近では二足歩行のロボットが登場してそれほど難しいように見えないかと思いますが、最新型の二足歩行ロボットを見てみても未だ膝はピンと伸びていませんよね。膝を伸ばすということはとても難しいことなのです。
人間は意図せずとも膝をピンと伸ばして立って歩くことが出来るのです。
さて、では貴方はいつ誰に教えてもらって歩けるようになったのでしょうか?
覚えていませんよね?
そうです。人間は誰に教わる事もなく、自然と立って歩くようになるのです。
これは遺伝子に深く刻まれた「本能」なのです。
生まれたての赤ちゃんは寝ているだけの状態です。当然立って歩くことは出来ませんし寝返りも出来ません。
フニャフニャですので、まず首が据わるという状態になりますね。
首が据わると手足をバタバタ動かします。
首のバランスをうまく使って寝返りが出来るようになります。
寝返りが出来るようになると今度はハイハイを始めようと奮闘します。
お腹が浮くようになるとハイハイを始めます。
ハイハイ時期が過ぎると今度はつかまり立ちをします。
つかまり立ちから伝え歩きができるようになります。
ようやく危なげですが少し手を離せるようになります。
少しずつ立って歩けるようになります。
ここまで「本能」で出来るようになるのですからスゴイですよね。
そして、ここまでは全て「上手に立って歩けるようになるまでの方法」なのです。
結論を先に述べると
「あかちゃんと同じ運動が歩くためのバランストレーニングになる」
[あかちゃんトレーニング]
です。
「バカにしないでくれ!」と思われるかもしれませんが、実際に赤ちゃんを横に並べて同じ動きをしてみると驚きの連続ですよ。
「え?なんでこんな長い時間足を挙げてられるの?」
「え?なんでこんな軟らかいの?」
恐ろしい事にこれは誰しも昔は簡単に出来ていたことなのです。
我々は歳を重ねると段々新しい事を覚え(覚える必用が)なくなります。
そして毎度同じように動くという深く刻まれた「記憶」によって動きを「自動化」しています。そして効率良く動く方法を生み出しそれ以上は動かなくなります。
例えば「あれ?いつのまにか家に帰ってきてたけど道中の記憶が無い」という経験をお持ちの方もあると思います。
歩行に関しても同じです。
現在の歩行は「いつのまにか上手に歩けてる」状態なのです。
厄介なことにもっと楽に効率の良い歩ける方法を見つけるとその方法で歩いています。
バリアフリー化が進み、足を上げる必用が無いと足が上がらなくなります。
筋肉の低下が起きても筋力の低下とともに「楽に歩ける方法」を見つけ、気が付くと上手に歩けなくなってきます。
それが「何故かわからないけど最近よくこける」状態なのです。
脳は筋力の低下で動きにくい筋肉を避けてうまく動こうとしますから本人が気が付かないうちに「変な歩き方」になります。
人の歩き方を後から見ていると東京タワーが歩いているような、左右に身体を揺さぶって歩いている人がいますよね?あれは足が上がらないから身体を左右に倒して歩いている「変な歩き方」の状態なのですが、実は本人は気が付いていない場合もあるのです。
しかし、頭は「しっかり歩いている」つもりですから躓いたりフラついたりしてこけやすくなります。
今一度「上手に歩く方法」を脳に叩き込む必用があります。
それには「あかちゃんの時にしていた運動」が有効なのです。
「さあ!思い出してやってみましょう!」
といっても無理ですから(笑)、簡単なトレーニングの方法をお伝えします。
まずは「寝返り」です。
厳密には「首を軸にした寝返りの方法」というものがありますが、文字でお伝えするのは難しいので、ここでは単純にコロコロと布団の上で寝返りをしましょう。
右に左にコロコロ寝返りをしてみるとうまく身体が弛んで時々「ポキッ」と音がなる場合もあります。
次に「ハイハイ」です。
これも、厳密には「軸をブラさないような体幹トレーニング方法」があるのですが、単純に四つん這いになった状態で
①床から右手を離しましょう。10ぐらい数えて戻しましょう。
②左手を離しましょう。10ぐらい数えて戻しましょう。
③右足を離しましょう。10ぐらい数えて戻しましょう。
④左足を離しましょう。10ぐらい数えて戻しましょう。
⑤右手と左足を離しましょう。10ぐらい数えて戻しましょう。
⑥左手と右足を離しましょう。10ぐらい数えて戻しましょう。
と、こんな感じです。
次は「伝い歩き」です。
これは「横歩き」をします。
右に左にと2歩3歩でかまいませんのでテレビを見ながらでもやってみましょう。
この時に出来るだけがに股にならないように注意しましょう!内股に力を入れるのです!
どうでしょう?思ったより簡単でしたでしょうか?
簡単な動きですがあかちゃんを見習って毎日毎日繰り返すことが大事なのです。